Received
the Grand Prize at
the
2025 Japan Management Quality Awards
2025年度日本経営品質賞
大賞受賞

ワイズマートは、2025年度日本経営品質賞 大賞を受賞しました。
 

表彰理由

 首都圏ベイエリアの駅前・駅近を中心に、売場面積が業界平均の約1/3の小型スーパー(39店舗)を展開。理念「お客様の身近な冷蔵庫代わりのお店でありたい」を追求し、小型店舗ながら店内加工の惣菜・生鮮品、産地直送品など、鮮度・品質の高い商品を提供。生活動線上の立地や夜間帯営業による利便性向上と価格に依存しない差別化を図ることで付加価値を高め、坪効率(㎡あたり年間売上高)は業界平均の2.5倍以上の高い収益力を実現している。駅前・駅近への展開を進める中、独自の店舗運営に磨きをかけて生産性を高め、収益を社員へ積極的に還元することで「物心両面の幸福」を実現しており、小売・サービス業における価値創造と持続可能な経営のモデル組織といえる。

店主集団経営による独自の店舗運営

 同社は、顧客にとっての「身近な冷蔵庫代わり」として、鮮度・品質が高く、日常使いに十分な品揃えの商品を適正価格で提供している。売場面積が限られる小型店舗でこれを安定的に実現するには高度な運営力が求められるが、同社は独自の「店主集団経営」によって課題を克服してきた。
 各店舗の部門ごとに配置された店主(部門責任者)は、仕入れ・値付け・見切り・売場づくりに加え、販売管理費やパート採用まで幅広い裁量を持ち、部門を“ミニ経営単位”として運営している。これにより、地域特性に応じた独自の品揃えや売場づくりが可能となり、「行けば必要なものが揃う」店舗を実現。さらに、スタッフ一人ひとりの経営者意識と創意工夫を引き出し、店舗全体の収益力向上にも大きく貢献している。
 これらの運営は、長年活用されてきた自社開発の「Data Studio」をはじめとする情報管理・分析システムによって支えられている。全店舗・全部門の月次決算は社内WEBで公開され、誰もが比較・確認できる。商品別売上や客数をはじめ、現在は1時間単位で需要変化を即時把握できるようになった。これにより、製造量や補充、人員配置の即時見直しが可能となり、品揃えや販売計画の精度がさらに向上。鮮度維持と廃棄抑制を両立し、日常使いに最適な店舗運営を実現している。

協働力と自律性を高めたチーム経営への進化

 この3年間で、同社は「チーム経営」へと大きく進化した。各店舗では毎日の「11時15時ミーティング」で計画や進捗、課題、対応策を話し合うことでスタッフの仮説検証力を高め店舗運営の質を向上させている。また、2019年に開始した作業改善活動を通じて店舗・部門間の格差解消を図るとともに、2023年からは日常業務での小さな気づきを重視する「パート社員プチ改善活動」も開始。品出しや陳列方法を工夫するなど、一人ひとりが「小さな経営者」として自律的に行動している。2022年導入のビジネスチャットツールにより、こうした取り組みは全社に共有され、他店舗への横展開も進んでいる。
 パート社員を含む全社員の賞与明細には「フォア・ザ・チーム」の評価項目が設けられ、ハイブリッド型の狭小店舗では多能工化した店主が複数部門を担当するなど、協働体制が一段と強化されている。
 加えて2023年5月以降は、グロサリー社員が自由に参加できる「試食・商談・買い付け商談会」を開始し、2025年5月までに25回開催。取引先も約150社に拡大。店舗スタッフは“あきんど”としての商才を磨いている。
 こうした取り組みにより、商圏特性や顧客ニーズに応じた独自の店舗運営にさらに磨きがかかり、坪効率(㎡あたり年間売上高)は業界平均の2.5倍以上、人時売上高は業界平均の1.6倍に達している。

新顧客層の発掘と狭小店舗フォーマットの確立

 同社では以前より、ポイントカードシステムやロイヤルカスタマーへのアンケート、店舗モニター制度を通じて顧客の声を収集し、売場づくりや改善活動に活用してきた。3年前の日本経営品質賞審査のフィードバックでは顧客情報の分析・活用について提言を受け、時間帯別の売上・客数データを詳細に分析した結果、「多頻度来店の都市生活者」という新たな顧客層が浮かび上がった。あわせて、①駅前立地へのシフト、②夜間帯の品揃えに対応可能な勤務シフト、③人手不足下でも夜間に商品供給できる体制、といった具体的な課題が明確となった。
 これらの課題へ対応するため、同社は既存店舗を改修したプロセスセンターを活用し、店内加工とプロセスセンターによる加工・配送を組み合わせたハイブリッド型の実証実験を加速。2025年には都心狭小店舗の平井店(99坪)、豊洲店(100坪)を開店し、デベロッパーからの出店要請が相次ぐまでに注目を集めている。さらに、2027年にはプロセスセンターの本格稼働を予定しており、これにより商品欠品による機会ロスのさらなる削減と、約30%少ない人員での店舗運営が可能となり、狭小店舗フォーマットの競争力強化が期待される。

従業員の「物心両面の幸福」を目指す温かみある経営

 従業員の「物心両面の幸福」の実現に向け、同社はワーク・ライフ・バランスを重視するとともに、納得感のある評価・処遇制度の整備や財形貯蓄の利子補給など、社員を大切にし、動機づける温かみある経営を進めている。社員の平均年収は業界の上場企業を上回る水準に達している。
 また、「見てあげることが最高の教育」という考えのもと、経営幹部が高頻度で店舗を巡回し、従業員へ積極的に声をかけることで、信頼関係の構築と風通しの良い組織風土の醸成を図っている。
さらに、店舗間での社員のスキル・能力のばらつきをなくすため、店舗サポート部による指導巡回チームが、年2~3回「個人認定チェックリスト」をもとに作業状況を確認し、必須項目を含む80%をクリアした社員を認定する「個人認定制度」も開始した。これにより、店舗スタッフは自分が取り組むべき課題や行動の優先順位を明確に把握できるようになった。
 こうした取り組みの結果、離職率は3.5% (3年前4.7%)と業界平均(10.7%)を大きく下回る水準を達成している。特に店長や店主などのマネジメント層は、「他社ではここまでの裁量はありえない」と語るほど高いやりがいを感じており、社員の定着率の高さにもつながっている。

※店舗数は申請時の2025年2月期のものです。2025年12月時点では42店舗

Overview of ysmart ワイズマート概要

組織・事業紹介

当社は東京ベイエリアに39店舗(2025.2末時点)を展開する食品スーパーです。「お客様の身近な冷蔵庫がわりでありたい」を理念に掲げ、利便性の高い駅前・駅ナカに26店がありますが、売場面積は業界平均の1/3しかありません。首都圏有数の激戦区にあり、圧倒的に不利な環境の中、50周年の節目を迎えられたのは、社員1人1人の創意工夫と努力に他なりません。
ありたい姿の1つに「コンパクトストアに磨きをかけ、お客様をファンにしたい」があります。生鮮惣菜の強化に努め、その構成比は業界平均を上回る55.7%。坪効率のアップに寄与しています。
経営者感覚を持った社員によるチーム経営が特徴で、店内6部門に独立したPLが算出。自社開発のアプリから、全社員が自店他店のチーム損益を閲覧可能です。各部門の責任者が「小さな経営者」として裁量を持って運営することから「店主集団経営」と称しております。

会社概要

組織名
株式会社ワイズマート
業 種
食品スーパーマーケット
設立年
1969年
所在地
千葉県浦安市 *千葉、東京、神奈川に39拠点
代表者
代表取締役社長 吉野 秀行
従業員
1,589名
*定時社員2,091人を8hで換算し、940名としています。
売上高
50,062百万円
経常利益
1,006百万円
労働生産性
6.4百万円

経営品質向上活動への取り組み

 今から24年前の2001年。日本IBMさんの勉強会で「日本経営品質賞」と出会いました。その年の6月に社名を変更し、10月に上場も控えていましたが、財務体質は脆弱で、人員も不安定。9.11のNYテロを理由に上場を延期しました。ここから経営品質賞のフレームワークを意識した経営に舵を切りました。90億円の有利子負債を減らし、離職率を下げる。「大きな会社より、強い会社。かっこいい会社より、あったかい会社」を目指さなければ悪循環から抜け出せない、そう悟ったのです。
 売上を追うより、不採算店は閉じて社員の休みを確保する。どうしたら社員が主体的に考え、働けるのか。従業員と寄り添いながら築いた「見てあげることは最高の教育」。独自の評価制度とフィードバックの仕組みはビジネスモデル特許となりました。気が付けば、主体性を持った社員が「小さな経営者」として育ち、駅ビルやデベロッパー様から狭小スペースへの出店要請を受けるまでになりました。2027年には生鮮惣菜PCの稼働を予定しており、都心23区内狭小スペースへの出店を展望しております。今後も競争が緩むことはないでしょう。時に利益成長が出来ずとも、「社員の物心両面の幸福実現を目指し、小さな経営者が自然と育つ場でありたい」の実現を目指して参ります。経営品質の向上活動に終わりはありません。志を同じくする皆様と私たちの経験を分かち合い、共に高め合えることを願ってやみません。


ワイズマートの経営品質活動の歩み

年代
出来事
1975年3月
創業者吉野喜信が、ゼロからの挑戦で浦安駅南口にスーパーマーケット1号店「主婦の店」開業。1989年までの14年間に13店舗(自社物件8店)借入で店舗網構築。
1989年10月
現社長(当時25歳)が吉野物産株式会社入社当時13店舗。売上50億円。改革着手。
1990年~全社員参加の決算発表会議を開催(四半期ごと)⇒順次、予算報奨制度開始
1993年2月
テナント運営だった生鮮3品を2月から順次直営化。12月までの10ケ月間で全11店舗完了。修羅場の1年間をくぐり抜けたスタッフが現幹部社員。第2創業期。
1994年8月
6年ぶりに新規出店再開。酒類免許積極取得。1995年新卒採用開始。全社員面談開始。
貯蓄残高の1%を利子補給する財形貯蓄制度開始。
1998年7月
ポイントカードシステム導入。リライトカードから2006年に非接触ICカードへ。
2001年6月
ワイズマートへ社名変更・2代目社長就任。ジャスダック上場を直前中止。
日本経営品質賞との出会い。上場会社を意識した内部統制システム・月次決算差異分析・詳細な決算説明資料の開示スタート。同時に「強い会社」づくりを意識して財務体質の改善に着手。
2005年3月
JR西船橋の駅ビルに初出店。以来市川駅、船橋駅、などに出店
2007年5月
葛西駅前の店舗を24時間営業へ(外部委託方式)。以降順次24時間化へ
2011年3月
東日本大震災。浦安市内の店舗が液状化で被災。翌年から反動減でディスカウント業態・スーパー朝市開始。ツノ作り。
2016年5月
労働組合設立。働き方改革・長時間労働是正。年間休日120日を実現。
2019年3月
作業改善活動スタート。「店主集団経営」から「チーム経営」への移行を目指す
2020年2月
新型コロナウィルス発生。在宅需要内食特需。評価制度抜本的改革。1人1人に賞与支給明細書を配布し、評価のフィードバックを開始。(2020年6月スタート時は正社員のみ499名⇒2025年12月はパート・アルバイト社員を含む2332名に明細書配布)
2022年8月
2001年有利子負債90億⇒無借金へ。日本経営品質賞申請。2022年度推進賞を受賞。
34ページに及ぶ評価レポートを受領。改善に向けた変革活動を加速させる。様々な企業様との交流を通して、経営品質の向上を図る。
2023年11月
以降
三井不動産様が手掛ける「ららテラスTOKYO-BAY」へ出店。24年5月には三菱地所様の高級賃貸レジデンスの1階へ。25年3月には野村不動産様のタワーマンション1階へ。7月には三菱地所様の手掛ける豊洲セイルパークへの出店要請を受けて出店。
2025年3月
創業50周年。ファンブック・社歌・キャラクター誕生。
2025年6月
農林水産省 官民連携食育プラットフォームに発起人企業として参画。
2025年10月
12月
2027年2月に本格稼働を目指すプロセスセンターが経済産業省の「成長戦略投資事業」に採択される。21年12月に特許申請した評価制度・賞与支給明細書のフィードバックのプログラムがビジネスモデル特許を取得。日本経営品質賞大賞を受賞(スーパーマーケット業界初の受賞)

日本経営品質賞とは

【 経営品質協議会のWEBサイトより抜粋 】 https://www.jqac.com/jqaward/index/

日本経営品質賞は、わが国の企業・組織への経営品質向上の考え方と活動を普及・推進するために1995年に創設されました。
創設の中心となったのは、1990年代から「顧客満足」に関する研究・実践を進めていた大手企業を中心とする有志企業20社と、(財)社会経済生産性本部(現:公益財団法人日本生産性本部)です。日本経営品質賞は、米国企業の競争力復活の原動力のひとつとなった「マルコム・ボルドリッジ国家品質賞(MB賞)」の考え方を範として取り入れています。
以来、25年にわたり、変革のモデルとするにふさわしい組織を表彰してきました。
日本経営品質賞の審査は、顧客価値経営の普及と変革の支援を使命とし、審査員育成研修での研鑽と選抜を受けた審査員によって行われます。審査員はいずれも経営の各分野で専門的な経験を積んだ実務家であり、申請組織ごとに3〜4名の審査員による審査チームを編成します。審査では、経験の異なる実務家の多様な意見の交換、話し合いを通じて、申請組織の顧客価値経営の実現に向けた変革に役立つ評価レポートの作成を行います。
審査チームの審査、判定委員会、日本経営品質賞委員会を経て、その年の受賞組織が決定します。一定基準以上の評価に加え、顧客価値経営を目指す他の組織に対する範としてふさわしく、良質のモデルケースとして認められることが受賞の条件となります。

ワイズマートの経営品質活動について

経営品質チームの組成

日本生産性本部・経営品質協議会が主催する「アセスメントコース」※(6日間)を受講し、セルフアセッサーの資格認定を受けたスタッフ11名が中心となって、経営品質チームを組成しています。

2025年度の申請書も11名のスタッフで書き上げました。

四半期に一度、「経営品質活動の振り返り」を行い、着手できていない課題や、変革目標として掲げたものの目詰まりを起こしている事象について、討議を行います。

経営品質賞のフレームワークは、経営全体を俯瞰し組織能力を向上していく上での指針となる考えです。
社長はじめ、幹部社員だけでなく、20代から60代の社員、管理本部だけでなく店舗サポート部門・顧客販促チーム・商品部(バイヤー)・店長と、幅広い世代・部門から組成されています。

今後も「顧客価値経営 実践推進者コース」の受講者(セルフアセッサー)の数を増やし、
「自社の経営のあり方」を客観視でき、自ら変革目標を設定し実践できる人材の育成を進めて参ります。

実践推進者コースの特徴・メリット

2025年から「顧客価値経営 実践推進者コース」と名称が変わっています。
https://www.jqac.com/practitioners-course/index

01.22万人以上が受講した経営人材養成プログラムをリニューアル

1994年の開講以来のべ22万人以上が受講した経営人材養成プログラム「アセスメントコース」を、新たに発行した「顧客価値経営ガイドライン」に準拠し、変革の実践をより重視したプログラムとしてリニューアルしました。

02.顧客価値経営に向けた変革が加速

顧客価値経営実現のための思考と実践のフレームワークの学習を通じて、「基本構想力」や「課題設定力」、「経営を俯瞰的に捉える視点」など、変革の推進・実践において求められる能力を習得します。変革を推進・実践できる人材の養成により、組織の変革を加速させることが期待できます。

03.双方向の対話や交流によって気づき・学びが深まる

顧客価値経営ガイドラインをはじめとする教材による学習の他、プログラムの大半を占めるディスカッションやグループ演習を通じて気づきや学びを深めます。組織の変革を担う異業種の参加者同士による創造的対話や交流を通じて、経営や変革の実践・推進を担う人材としてのマインドセットを行います。

04.フォローアッププログラムが充実

コース修了者は、「セルフアセッサー」として認定された後も、ステップアッププログラムの「深掘りコース」や更新研修など、さらなる能力開発のためのプログラムや交流の機会をご用意しています。また、日本経営品質賞などの第三者評価の審査員としての活躍の道も開かれています。現在、約3,000名が認定セルフアセッサーとして登録され、各界で活躍しています。


ワイズマートのありたい姿

お客様の「身近な冷蔵庫でありたい」を叶えるために

5年後・10年後に向けて、ワイズマートでは、創業当初より変わらない経営理念を実現するため「ありたい姿」を提示することで「こんな会社になっていたい!」「こんな働き方をしていたい!」という想いを全社員に共有しています。

ワイズマートの掲げる3つの「ありたい姿」

(1)コンパクトストアに磨きをかけ、競争に強い店・お客様をファンにするお店でありたい
(2)社員の物心両面の幸福を実現し、「小さな経営者」が自然に育まれる場でありたい
(3)地域の社会課題(フードロス・多様性など)の解決に貢献できる企業でありたい

ワイズマートのありたい姿(1)
コンパクトストアに磨きをかけ、競争に強い店・お客様をファンにするお店でありたい

コンパクトなお店である私たちは、厳しい競争環境を生き抜くうえで、商品力や技術に日々磨きをかけ続けています。 お客様は、日常生活において「良い・使いやすい」と感じるお店を選ばれます。他店との競争環境のなかで「お客様に選ばれない」というのは、当店が他店に比べて魅力が表現できていないことに他なりません。 当店ではコンパクトストアに求められるさまざまな要素に磨きをかけることで、「競争に強いお店・お客様をファンにするお店」の実現を目指しています。

【店舗としての魅力】を高めるために

店舗としての魅力

● 出店に当たっては、駅前立地・駅ナカ立地を重視し、24時間営業などで、お客様に利便性を感じて頂けるお店づくりを目指しています。
● 店舗面積は業界平均の3分の1しかありませんが、商品棚には極力多くのアイテムを品ぞろえし、コンパクトながら必要なものは一通り揃う店づくりを意識しています。
● 安心安全・信頼できる商品の提供とお手頃で庶民的な価格設定を心がけています。
● 食品スーパーの命ともいうべき生鮮食品(農産・水産・畜産)の鮮度と価格に磨きをかけ、仕入の工夫、加工技術の向上に磨きをかけます。
● 食べて美味しいお惣菜やお寿司を提供するために、店内加工・調理技術の向上を目指します。
● ワイズマートでしか買えない独自商品として「浦安☆メンチ」「浦安☆から揚げ」等の開発を進めています。
● 定番商品の充実に加え、「飽きさせない」「珍しい」といった品揃えに挑戦する社風、失敗してもトライし続ける「トライ&エラー」が出来る社風を育んでいます。
● 商品の美味しさや特徴、産地の情報、作り手の思いを伝える「iメッセージPOP」やSNSの充実を目指しています。
● こうした施策の結果、坪効率売上は業界平均の約2.5倍。生鮮構成比は55.7%に達しています。

【お客様をファンにするため】の取組み

ワイズマートは駐車場のない店舗が多く、徒歩や自転車来店の多いお店です。商圏は狭いですが、通勤帰りに立ち寄られるお客様も多いため、買上点数は多くはありません。その代わり顔なじみのお客様が多頻度で来店されるお店でもあります。
● 1998年からポイントカード「ワイズカード」を発行しております。2025年5月には「ワイズアプリ」をリリースして、顧客接点の強化を図っています。
● 2004年から食育活動に取組み、親子料理教室や産地視察などを行って参りました。
2025年には農林水産省 官民連携食育プラットフォームに発起人企業として参画しています。
● 2006年12月に新本社ビルが竣工して以来、ワインセミナーを開催。2ケ月に一度開催される「ワインフェスタ」は多数のワインファンが訪れる名物企画となっています。
● 2023年より「子育て支援制度」が始まり、2歳までのお子さんを持つワイズカード会員様を対象に4年間買物金額から5%割引く制度を始めています。
● 2004年から東京宝塚劇場での貸切公演を開催しており、22回を数えます。

ワイズマートのありたい姿(2)
社員の物心両面の幸福を実現し、「小さな経営者」が自然に育まれる場でありたい


小さな経営者を育てるワイズマートの「店主集団経営」

(2)従業員一人一人の物心両面での幸せ実現に向け、努力や成果に報いられる企業でありたい

ワイズマートでは、店主集団経営により「経営者スピリット」を持った256人(2024年12月現在)の部門責任者(チーフ)が、当事者意識のもとに自発的な部門経営を行っています。

具体的には、
● 1つの店舗に6~8人の部門責任者(チーフ)がいます。仕入アイテム・数量の決定、値付けやパート社員さんの採用など権限を委譲され、かなりの自由裁量で部門運営を行います。
● 自分のアイディアやセンスで並べた商品が売れていくのは面白く、利益貢献やお客様からのお褒めの言葉があると、やり甲斐を感じます。うまくいかない時もあり、悔しい思いもします。
● 売上や粗利益、人件費や電気代、家賃や修繕費など、詳細な数字は1つの店単位ではなく、6~8つの部門単位で細分化され、算出されます。(アメーバ経営に似ています)
● 詳細な経営データは全社員にオープンされていて、誰でも閲覧し、他店と比較して自分の部門経営の質を磨き続ける環境になっています。
● 様々な顧客アンケートからもたらされる「お客様の声」もすべてオープンで、自分たちで原因や背景を考えて、自分たちで改善行動を起こす風土づくりに取り組んでいます。

明確な経営データが、いつでもクリックして確認できる環境にいることは、自然と経営者意識が高まり、「あたかも会社から場所を借りて経営している感覚」になってきます。良い成果が上がれば「数字が自分を褒めてくれ」て、ささやかな自信を持てるようになります。うまくいかない時は、悔しい思いをして、どうしたら改善できるのだろうか?と考える癖が身につきます。結果として一人一人が「小さな経営者」として成長していくのです。

ワイズマート独自の評価制度も、経営者を育てる制度として機能しています。コンサルタントも入れずに社内の人間が何度も何度も試行錯誤して生まれた「自己申告書」と「賞与支給明細書」、「フィードバック仕組み」はビジネス特許を取得しました。

業績査定と行動評価の詳細データが人事面談とともにフィードバックされます。きっとそのデータ量の多さに驚かれると思います。

いかに一人一人の成果や努力を「見てあげる」ことができるか?
多店舗展開で社員数の多い小売業でこれを実現することは至難の業です。
● 経営データがオープンであること
● 独自のフォードバックの工夫があること
● 役員や部課長クラスの店舗巡回の頻度が高いこと
● 半期に一度、総務部スタッフが全社員との面談行うこと

様々な制度や仕組みを駆使して、一人一人の努力や成果を見ようとしています。
「見てあげることは最高の教育」ワイズマートの信念です。

【小さな経営者が自然と育まれる場】にするために

【小さな経営者が自然と育まれる場】にするために

● 職場では「穏やかな人間関係」と「規律ある文化」の両立を目指しています。
● 「あの人がいると安心」「あの人ともう一度仕事がしたい」と感じていただける人格形成を目指し、人事考課評定に採用しています。
● 地域に密着するお店として、常連のお客様から名指しで「いいね!」と言われる人材づくりを目指しています。
● 商品陳列の技術やセンスを磨くこと、包丁さばきや調理技術を磨くこと、商品の特徴・産地・調理方法などの商品知識を広く・深く習得することを目指しています。
● 誰かが作った良い商品や売場の情報を、Wow Talkという社内のチャットシステムで共有する仕組みに磨きをかけています。自分の取組みが他者から褒められ水平展開されると自己効力感が高まり、仕事への意欲が増して参ります。
● 良樹細根の考え方に共感し、土台づくり・良い根を育て、やがて人格と言う幹となり、「小さな経営者」として育つ好循環を目指しています。

ワイズマートが育てたいのは、単なる店舗スタッフや管理者(チーフ・店長)ではありません。たとえ良い結果が出なかったとしても、環境や競合のせいにしない自責の思いで、課題や改善点を探し出し、経営者意識を持って、自ら考え自ら動けるような人材を「小さな経営者」と呼んでおります。

「経営者意識=オーナーシップ・リーダーシップ・自分事として考える習慣・他責より自責の考え方」を指します。

独立制度やのれん分け制度がある訳ではありません。日々・週次・月次・四半期・半期の決算振り返りなどを通して、自ずと「経営センス」を磨くことができる場を提供したいと考えています。

それは、自分の商いの数字を経営的に診断する習慣が身に付くということでもあります。
片手にロマン・片手にソロバンを必要とする商売の厳しさ・数字の冷徹さを、日々の働く環境のなかで合わせて学ぶことができるのです。

ワイズマートでは、お客様に喜ばれ、スタッフで高めあえる環境下のなかで、店舗と共に成長したい人材を日々探し求めています。ご興味を持たれましたら、「採用情報」のページをご覧ください。

【「小さな経営者」を育てる対象の広がり】
パート社員プチ改善活動
メーカーの担当者様
次世代を担う高校生

ワイズマートのありたい姿(3)
地域の社会課題(フードロス・多様性など)の解決に貢献できる企業でありたい

【支援員を採用し手厚いサポートと働きがいを提供する障がい者雇用の取組】

 当社の障がい者雇用は2000年から始まり、2006年には雇用率が4%を越え、2008年には「笑顔いっぱいフレンドリーオフィス」として千葉県知事から認定を頂き、2020年には障がい者雇用優良事業所等厚生労働大臣表彰を頂きました。しかし全社雇用人数の増加や、障がい者人数のカウント方式の改定などがあり、2023年度には引き上げられた法定雇用率を下回る結果に陥りました。
 それまでは障がいを持った方は各店舗で1名ずつ採用し、作業に従事させていましたが、孤独な環境で働くことや、人事異動で上司となる社員が変わると労働環境が大きく変化してしまうことなどが問題となっていました。そこで、福祉施設で勤務経験のある専属の支援員を採用し、支援員がつきっきりで共に業務にあたるスタイルを採用することにいたしました。これにより、地域の障がいを持つ方のご両親に安心して頂くことで、より長く働ける環境を提供することが可能となりました。
 具体的には、弊社の物流センター内の一区画を用いて、みなで玉ねぎやジャガイモの袋詰め作業を行ってもらい、商品は毎日全店に供給されています。玉ねぎやジャガイモは当社にとっての売れ筋・A級アイテムです。自分が従事した仕事の成果を毎日ワイズマート全店で見かけることができます。これは、地域密着型のスーパーマーケットだからこそ提供できる施策です。
 また業務の従事を一か所に集約することで、往復の送迎や昼食のサポートなど福利を充実させることができるようになりました。さらには採用ルートについても新規開拓を進めました。就労支援機関や特別支援学校に支援員が自ら営業活動を行ったり、積極的に障がい者雇用に取り組んでいる企業様と情報交換会を実施することで、当社の取組について理解して頂く機会が増えました。
 2027年には生鮮プロセスセンターが稼働予定です。そこでは現在より整えられた環境で、より多くの仕事があります。新しいセンターにおいても、障がい者雇用の拡張と定着に努めて参ります。「CSR企業総覧(雇用・人材活用編)」2024年版の数値を参考に、TOP10入りを目標とします。すべての従業員の物心両面の幸福を追求することが当社の掲げるありたい姿であるため、障がい者雇用の量に固執するつもりはありません。あくまで求めるのは「ワイズマートで働きたい」と感じてもらえる環境づくりを続けていくことにあります。同時に定着率の指標として、95%の安定推移を掲げます。また2027年には特例子会社の設立を目標とします。

該当年度
2021年
2022年
2023年
2024年
2030年目標値
障がい者在籍人数
38名
46名
43名
58名
88名
障がい者雇用率
3.04%
2.27%
2.32%
2.71%
4%
参考:法定雇用率
2.3%
2.3%
2.3%
2.5%
2.7%
定着率
100%
87.8%
86.8%
94.5%
95%
支援員数
2人
10人

【地域の子育て世代を支援する「子育て応援サービス」と行政への寄付】

 当社では創業当初から地域の自治体に寄付活動を続けております。主に子育てや教育への寄付として寄付活動を継続し続けてまいりました。
 このような背景をもつ当社が子育て世代へのより手厚く、直接的な支援として提供を開始したサービスが「子育て応援サービス」です。概要は次の通りです。0~2歳0か月までのお子様がいらっしゃるお客様を対象に、登録から4年間、全商品(酒やタバコは除く)が無条件で5%引きになるサービスです。
 2023年5月の開始から約2年間、非常に便利でインパクトのあるサービスとして多くのお客様にご利用いただいております。ワイズマートは店舗面積の狭さから、ベビーカーを押した小さなお子様がいらっしゃるお客様はお見掛けする機会はそう多くはありませんでしたが、サービス導入以来、目に見えて増加していることが実感できます。利用人数も、客単価も上昇しています。
 今後も地域の子育て世代への支援を継続・強化し、当社にできる形で地域に貢献していきます。

地域自治体への寄付
地域自治体への寄付活動はワイズマートへ社名変更した2001年から継続しています。 1市区当たりの寄付額は20万円と些少ですが、「継続は力なり」を旨としています。「健やかなる時も病める時も変わらぬ姿勢で寄付を続ける・・・」気が付けば、四半世紀で8240万円の額となりました。

寄付は12月の歳末寄付としています。各市長・区長のアポイントを取るようにして、社長と店舗開発部長、該当地区の店長同席の元で寄付を手渡し、地域の課題について話し合うようにしております。

【フードロスへの取組み】

ワイズマートでは2023年5月より全店舗で排出される生ごみの量を計測しています。2025年11月度の排出量は月間42.66トン。そのうち35.0トンが農産の野菜くずやカットフルーツの皮部分などです。これを2027年のセンターで減量化・堆肥化にするための設備を投入いたします。
毎月7トンの廃棄商品を減らすための施策も実施して参ります。

店主集団経営

ワイズマートの「組織能力」の根幹をなす特徴です。
全社員参加の「社内決算説明会議」は、1990年の予算報奨制度から始まり2025年上半期決算の説明会議まで、108回にわたり開催されてきた重要行事です。
大学で経営学を学んでいなくても、「自分の商いの数字」は興味も関心も湧き、自発的に学ぼうとする意欲が高まります。気が付けば「減価償却費」の意味を知り、設備投資や教育投資がいかに費用化されていくのかを体感することになります。2025年9月からベトナム人実習生・特定技能性にも会議に参加させています。「何の事だかさっぱりわからない」そんな彼ら彼女らも、3年後には「自分の商いの数字を語れる」人になっていると信じています。

「徹底した見える化」と「自社で築き上げた評価制度」の2つのサブシステムが「小さな経営者」を自然と育て上げていきます。

毎日欠かさず行われる「11時と15時に開催される10分程度の店内ミーティング」が日々の目標設定と予実差異の精度を高め、「あきんど」として磨かれていきます。


50周年式典での一体感と50周年企画

創業50周年式典ダイジェストムービー

 

ワイズマートテーマソング
愛ずらっと!ワイズマート ムービー

楽曲は浦安市出身のシンガーソングライター神田莉緒香さんに書き下ろしていただきました。各種音楽配信サービスでもお聴きいただけます。

 

ワイズマートファンブック
※ファンブックの販売は終了しています。

ワイズマートファンブック

オリジナルキャラクター“ワイズちゃん”
公募から活躍・着ぐるみが大人気!

400件を超える一般公募の中から選ばれたワイズちゃん。店舗イベントでも元気いっぱいに活躍しています!

オリジナルキャラクターワイズちゃん

「小さな経営者を育てる」ミッション~良樹細根から生まれる好循環

これから縁ある人を「小さな経営者」に育てたい!
還暦を過ぎた社長が、ミッションとして、社会へのご恩返しとして実践していきたい…というものです。

「小さな経営者」として育てたい対象
①ワイズマートの社員・パート社員・アルバイトの人々
②ワイズマートのお取引先様のご担当者
③将来ワイズマートに入社を検討して下さる学生さん
④これから社会に出て行こうとされる高校生や大学生の皆さん
(ワイズマートの採用案内ではございませんのでご安心ください)

小さな経営者とは、経営者意識を持って、自ら考え自ら動ける自立型人間のことを指します。
「経営者意識=オーナーシップ・リーダーシップ・自分事として考える習慣・他責より自責の考え方」を指します。
■2025年6月26日 地元浦安の高校生8名が来社され
「夢が持てない・見つからないんです。どうしたら夢は見つかるのでしょうか?」というインタビューを受けました。
約60分のディスカッションの中で、彼らに質問を投げかけ・調べてもらい、課題を課すことで、「自ら考えて答えを探す」ことの大切さを投げかけました。


「車のエンジンに設計図はあるのに、経営の設計図を作る会社は少ないのです。
ましてや人生の設計図を描こうとする人は皆無です。教えてもらわなかったから仕方ありません」
「長期目標設定用紙」「大谷翔平の64の窓マンダラチャート」コンプレックスとの向き合い方について話をしました。

みんな熱心にメモを取り、熱い眼差しで話を聞き、自分のコトバで自分の考えを語ってくれました。とても頼もしい。未来を担う高校生と接するのはとても楽しくパワーを頂けます。

高校生や大学生の皆さんへの課外授業として無償でお引き受けいたします。
ご来社頂いても結構ですし、出張授業も可能です。お気軽にお問い合わせください。


『みんなが主役・誰もが主人公』

この言葉は、ワイズマートのパート社員さんが「プチ改善活動報告会」の決勝戦で述べた言葉です。

「小さな経営者」として育つのは、社員ばかりではありません。パート社員さんもまた「自ら考え、自ら動く人」になるよう働きかけを行って参りました。
パート社員研修会は2001年から続く恒例行事です。ディデニーリゾートのある浦安ならではの研修会として、アンバサダーホテルやミラコスタホテルで開催をしてきました。
2019年から店舗の「作業改善活動」が始まり、パート社員さんらも加わりました。2023年には足利流5S活動を学び、「パート社員プチ改善活動」として、活動報告の場を設けてきました。

年度
活動報告
2023
138件
2024
154件
2025
176件

2025年度は、176件の活動報告から1次審査を通過した35チームが5日間の日程で予選を行い、パート社員さんらの投票で1位を決定。それぞれの日の1位チームが6チーム(2日目は同率1位が2チーム)集まり、11月27日に東京ドームホテルで決勝戦が行われました。

素晴らしい発表の連続に、参加された411名のお取引先様・ワイズマート社員らから称賛の嵐となりました。こうした活動を通して、パート社員さんたちも「小さな経営者」として育って参ります。

これらのテーマはワイズマートの経営品質活動のほんの一例です。

経営品質協議会主催の「顧客価値経営フォーラム2026」が以下の日程で開催されます。

日本経営品質賞表彰式における本賞・副賞授与
日時
2026年3月5日(木)15:10頃-16:00頃(予定)
会場
イイノホール&カンファレンスセンター(東京都千代田区内幸町2-1-1)
受賞トップスピーチ、パネルディスカッション
日時
2026年3月6日(金)9:30頃-12:00頃(予定)
会場
日経ホール(東京都千代田区大手町1-3-7 日経ビル3F)


また、3月25日・26日の両日、グランドニッコー東京ベイ舞浜にて
「ワイズフォーラム2026」を開催いたします。
お取引先様の優良表彰(ベストパートナー賞)と
社員の優績表彰(ベストチーム賞・優績個人表彰)を行い、
日本経営品質賞受賞の活動報告・2026年方針の説明を行います。
皆さまのご参加をお待ちしております。
ご都合の良い日程でご来臨を賜れれば幸いです。

3/6 以降、このWEB サイトでもう少し詳しい報告をさせて頂きます。

  • 決算説明ムービー
  • プチ改善活動
  • ワイズフォーラム 2025
※2026年3月6日以降に公開いたします
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私たちは、地域に根付く駅や自宅の最寄りにあるスーパーとして、あなたのお食事(朝食・昼食・夕食)の献立をサポートしたり、ふらっと気軽に立ち寄れるお弁当・お惣菜を、いつでも納得の価格でご提供しています。いざというときに頼れる、安⼼・信頼できる「おうちの冷蔵庫」のような存在を目指しています。

お惣菜をはじめ「美味しい」と思っていただける温かくて美味しい商品の数々をご用意して、あなたの帰りをお待ちしています。

⼩さいながらも他店より好き。帰宅前についふらっと寄りたくなる、台所スペース。それが、ワイズマートの「原点」です。